話は二年前にさかのぼります。

その日はアメリカから来ていた友人と東京・新橋で待ち合わせをし、お台場へ向かいました。お台場へはゆりかもめに乗って行くことにしたのですが、その友人はIC乗車券を持っていたので、私が切符を買う少しの間待ってもらいました。

切符を買ってから、待ってもらった友人に私は日本人なら誰でも口にするであろう一言を口にしました、

「Thanks for waiting. =お待たせしました」と。

それを聞いた友人が一言。「アメリカ人はそこでThanks for waitingとは言わないねぇ」

えぇ!待ってもらったのだから、"お待たせしました"と言うのは普通でしょ!では何と言うのか彼に聞いたところ、

「"何も言わない"か、あるいは"Okay, let's go."と言う」そうです。さらに
「"Thanks for waiting."を使うことは間違いじゃないけど、丁寧過ぎる感じがする」そうです。

その時はびっくりはしましたが、どんどん違う話に流れて行ったので、その話はそこまで。
 

ところが先日、別のアメリカ人の友達とスカイプをしていて、ふと「お待たせ」という表現についての話になりました。

二年前の彼の言っていた感覚はもしかしたら個人差があるのでは?と思って聞いてみたのですが、なんとこの友人も同じように、「切符買うのを待ってもらったくらいではThanks for waiting.とは言わない」とのことでした。

やはりこの友達の場合も何か言うとすれば"Alright, let's go."と言う、と言ってました。

さらに、もし相手が家族で、切符を買い終わったのにのんびりベンチで待っている姿をみたら"Let's go. Hurry up!=さぁ、行こう!グズグズしないで!" とまで言うかも、と(冗談でしょうが)言ってました。

面白いですね~。

やはりこの状況で"Thanks for waiting."を使うと"Super polite=とっても丁寧"な印象を受けるらしいです。二人とも同じ感覚なようです。

では、"Thanks for waiting."ってどんな時使うのでしょうか?

例えば: 何かに向かう途中、友達と駅で電車を待っています。今にも電車が来そうなのに、あなたは公園のベンチに傘を忘れたことに気付いたとしましょう。

友達には先に行ってと言い残し、急いで取りに行きました。戻って来たら案の定電車は行ってしまっていた。でもそこには友達があなたを待ってくれていました。

電車に乗って先に行くことも出来た友達に一言:「Thanks for waiting.」
Waiting Room150203
ここでは相手が"自分を待つという選択"をしてくれたことに対してお礼を言う感覚のようです。

あと他のシチュエーションとしては、電話で通話を切らずに待っていてもらった相手に対して「Thanks for waiting.」と使うらしいです。 
 
感謝しつつ時にはちょっぴり申し訳ないという気持ちを含む、"お待たせ"や"お待たせしました"の感覚とは少し違うような印象を受けました。

言葉って本当に奥が深いですね。

日本語と英語の感覚の違い その他の記事>>こちら

今日の英検一級単語:
placid  形容詞 (人・動物が)おとなしい、落ち着いた;穏やかな

“His expression is placid as he examines his cuts, turns off the water, and dries his hands with a towel.” –Divergent by Veronica Roth 傷の具合を確かめ、蛇口を止め、手をタオルで拭った時の彼の表情は穏やかだった。

スポンサーリンク