Facebook、LINE、Twitter、Instagram、HelloTalkなどなど、SNSで気軽に世界中の人と繋がれる現代。

ネットに繋がりさえすれば瞬時にやり取りが出来るのが魅力ですが、その特性がゆえ、疲れてしまうことがあるのも事実。
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そこで今回は、SNSと比較した時の「文通」の魅力と利点について、英語学習にどのように役に立つのか、私の体験談も含めてまとめます。

私が実際に体験したトラブルや注意点についても書きますので、ぜひ最後までご覧ください。

文通を始めた経緯

英検2級に合格し、そろそろ実際に英語を使って海外の人とコミニケーションしてみたいと思ったのが21歳(2006年)の頃。

オンライン英会話はもちろん、言語交換アプリもない時代、どうやって海外に友達が出来るのだろうかと悩みました。

そんな時、本屋でたまたま目にした文通に関する本を見て、始めてみようと思いました。
210304英文レターの書き方
早速、その本(やさしい英文レターの書き方 林俊一著)に載っていた「国際ペン・フレンド協会」に申し込み、15人以上のペンフレンド候補に手紙を出したり、もらったりしました。

手紙を1往復以上やりとりしたのはスリランカ(4人)、中国(2人)、韓国(2人)、トルコ(2人)、イギリスの11人で、シンガポール、アメリカ(2人)、オーストラリア、フランスの5人からは返事が来ませんでした。

多い時で7〜8人と手紙のやりとりをしていて、毎日手紙を書いている状態でした。

英語力は上がった?

大いに上がりました!

私の文通した相手はほとんどが非英語圏出身の人々でしたが、自分の身の回りのことを英作文するため、様々な情報を調べ英語にする必要があり、かなりの勉強になりました。

また国によって英語にも癖があり、それを解読するのにも、英語力が必要なりました。

特にヨーロッパの人々は日常でアルファベットを書くためか、とても文字が崩れていて解読にはアジア人の手紙を読むよりも手間がかかりました。

こういう細かいところにも、文化の違い生活習慣の違いを感じることができ、家にいながら異国情緒を味わうことができました。

またペンフレンドとして知り合ったイギリス人とは、やりとりが手紙から、Eメールになり、その後Facebookでつながり、ある日から毎週末1時間ほど文字でチャットをするようになりました。

その習慣は6〜7年続き、私の英語力はかなり鍛えられました。

常に「〇〇って英語で何て言うのだろう?」と考えるように

英語力が上がった1番の理由として、日常的に日本文化や習慣、自分の身の回りのことを「英語でなんて言うんだろう」と考えるようになったことです。

気にになったことは辞書で調べ、それを手紙に書き、そして相手の手紙を読み、気になったことをまた辞書で調べ手紙に書くという積み重ねにより、英語が上手くなりました。


文通のメリット

半強制的に続けられる

「返事を出さなくちゃ」という気持ちが、ゆるめの締め切り効果を生みます。

何日も返事を出さないと気持ち悪くなってくるので、半強制的に英作文することになります。

これは英語で日記をつける場合との決定的な違いです。また英語が間違ってると通じないことがあるので、やはりコミニケーションで実際に英語を使う事は良い勉強になります。

身の回りのことを全て英語化

相手にもよりますが、文通で書く内容は自分の身の回りのことが多いです。

仕事、趣味、日常でのプチトラブル、お互いの国の文化や習慣などなど、普段当たり前すぎてわざわざ言葉にすることがないことまで英作文することになるので、ものすごく練習になります。

実際、年賀状をスリランカのペンフレンドに送っていたのですが、何年かたったある年、「葉書に毎年動物の絵が描かれているけど、動物そんなに好きなの?」と聞かれたことがあります。

結果、干支について調べ、丁寧に説明しました。

こういう機会がなければ、干支について英語で説明するなんてまずないですからね、ありがたかったです。

既読スルーを気にせずのんびり続けられる

SNSと比較すると、この点が1番のメリットかもしれません。

私の場合は相手から手紙が来るのは平均して月に2回程度。当然ながら既読を知らせる機能はないので、手紙を読んでからじっくり自分の考えや相手からの質問の答えを考えることができます。

また英文も丁寧に作ることができ、メールやリアルタイムのチャットほど疲れないのも良いです。


さて続いて、私が感じた文通の欠点についてです。

文通のデメリット

切手代が思いの外かかる

航空便の場合、アジアのペンフレンドには90円、欧州や北米には110円、アフリカや南米ともなると130円が最低でもかかります。

写真を送ったりすると、定型の最低重量である25gを簡単に超えてしまうので、それぞれ160円、190円、230円となります。

船便という手もありますが、アジアでも到着まで3ヶ月前後かかるので、あまり現実的ではありませんでした。

相手の国によって手紙が届かないことがある

せっかくがんばって書いた手紙が届かないと、本当に寂しいです。

私が送ったことのある国(英国、韓国、スリランカ、中国、米国)は問題なかったですが、母の相手国の一部(フランス、ハンガリー、ロシアなど)は、届かないことも珍しくないです。

現在のコロナ禍で、そもそも航空便が送れない国もあります。

相手に自宅住所を教えることになる

当然と言えば当然ですが、自宅住所を教えることになるので、個人情報の取り扱いは気をつけたほうが良いです。

特に相手が日本在住の場合、簡単に会いに来ることも可能なので、面倒なことにならないとは言い切れません。

文通が終わるとき

文通はどちらかが手紙を出さなくなるタイミングで終わります。

大体は手紙を書く頻度が落ちてきて、なんとなく終わるパターンが多いのですが、中には活発にやりとりをしていたのに突然終わったこともありました。

ある中国人がまさにそれで、長い付き合いになるかと思っていましたが、ある時から手紙がぱったりと来なくなりました。日本の文化・習慣に興味津々で、半年ほど活発にやりとりをしていたので、すごく残念でした。

ライフスタイルの変化や単純に飽きることもあるので、終わるのは仕方のないことではありますが、手紙が来なくなるといつも寂しく思いました。

私の経験したトラブル

相手から送られてきた「音楽CD」にコンピュータウイルスが入っていて、PCの修理が必要になったことがあります。

しかも、CDのことを伝えると、相手はしぶしぶ謝ったもの関係が悪化し、結局手紙のやりとりをやめることになりました。

ただ私が10年以上、文通をしていて困ったことはこの一件だけです。

さらにこの経験から、CDを始め外部メディアを開く時は、必ずウイルスソフトでスキャンしてから開く習慣がつきました。

賢くなったので、これもプラスといえばプラスです。

文通やって良かったことたくさん

ある時アメリカ人の知り合いから、「自分のできないことをいつも、君の言う"病気"のせいにしていたら何もできないよ」と私の慢性病について嫌味を言われたことがありました。

そのことを韓国人のペンフレンドに話すと「どこにでも嫌なやつはいるけど、ゆっきーには俺という友達がいるから」と励ましてくれたことがありました。

彼は私の慢性病に対しすごく理解があり、ペンフレンドとして知り合いましたが、いつしか親友と呼べる友達になりました。

イギリス人の友達とはクリスマスカードと年賀状のやりとりを続けています。

彼女は日本語は話さないのですが、年賀状は日本の年賀状に合わせ、アルファベットをわざわざ縦書きにして書いてくれたことがありました。日本文化に対する敬意を感じ、嬉しくなります。
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▲昨年末は、車好きな私のためにわざわざ雑誌を買って送ってくれました。

彼女は「イギリスに来たときには泊めてあげるよ〜」、と言ってくれています。外国に遊びにいける家があるというのは嬉しいものです。

他にもスリランカのペンフレンドが、一時期体調を崩していたのですが、復活し仕事にも就くことができたという話を聞いて、とても嬉しくなりました。

世界共通語といえる英語を使って、自宅にいながらにして世界中の人と繋がれたことが、私にとって文通の一番の利点です。

まとめ

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今回の記事を書いて思うのは、文通を通して親友と呼べる人々と出会えたこと、それが私にとって一番良かったことです。

世界中の人々と手紙のやりとりをすると、画面越しでは感じられない雰囲気を感じることができます。

文通に関するリスクやデメリットについても書きましたが、それでも私はやって本当に良かったと思います。

少しでも興味のある人はぜひ挑戦してみて欲しいです。

文通関連サイト

・私の利用した「国際ペン・フレンド協会」は一応ホームページはあるようですが、活動しているか不明なのでリンクは載せません。

▼青少年ペンフレンドクラブ (PFC)
https://www.pfc.post.japanpost.jp/
日本郵政が1949年から運営している、歴史ある団体。私は利用したことはありません。

▼Conversation Exchange
https://www.conversationexchange.com/
私は利用したことはありませんが、PenPalのコーナーでペンフレンドを探している人を見つけることができるそうです。

▼HelloTalk
https://www.hellotalk.com/
こちらスマホ用の言語交換アプリですが、ペンフレンドを募集している人を何人か見たことがあるので、探せば見つかるかもしれません。

*当記事で紹介したサイト、協会、サービスは自己責任でご利用ください。

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