私が英検準1級に合格したのは2010年。今ほどインターネットの普及していない当時の試験対策は、NHKのラジオ講座と問題集3冊のみでした。
*当記事は広告リンクを含みます。

それから10年経った現在は、便利な問題集、ウェブサイト、英会話サービスがたくさんあります。逆に選択肢が多すぎて迷うほどです。
そこで本記事では、10年前にあったら最高に嬉しかった問題集や、効率的な勉強にとても役に立つ便利なウェブサービスを、勉強法と共にまとめます。
▼私が実際どのように英検準1級対策をしたのかは以前記事にまとめました。ぜひこちらも合わせてご覧ください。
▶語彙問題対策
ー英英辞典を使おう!
▶長文問題対策
ースラッシュリーディングの仕方
ーサイトトランスレーションの仕方
▶英作文対策
▶リスニング問題対策
ーリスニング練習に大事な7つのポイント
ーリスニング練習に使えるおすすめのウェブ素材
▶まとめ
▶関連記事

▼英検公式サイトに最新の3回分の過去問が掲載されているので、まずはそれを使うと経済的です。
英検準1級試験過去問
https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/grade_p1/solutions.html
▼もちろん市販の過去問を利用するのも良いです。
ちなみに旺文社の過去問には二次試験の問題も掲載されているため、二次試験対策として買っておいて損はないです。さらにリスニングの放送分と二次面接の模範解答の音声もダウンロードが可能です。
英作文は自分で添削ができないので、2つの理由を盛り込むことが出来たか、指定のワード数(120から150ワード)で書けたか、25分以内に完成させることが出来たか、この3点が出来ていればとりあえずOKです。
答え合わせをして、極端に点数が低い問題があった場合は、そこを重点的に勉強します。
▶目次にもどる
語彙力は大問1の点数だけでなく、長文問題・英作文・リスニング全てに影響します。そのためいかに効率よく語彙を増やすかが英検合格に大きなカギを握ります。

私の場合は「問題集 × 英字新聞 × 会話」の組み合わせが効果的でした。
問題集:当時は高橋書店の「絶対合格英検準1級 [絶版]」と、旺文社の「英検準1級予想問題集」を使っての勉強がメイン。
今おすすめするなら旺文社の「英検準1級総合対策教本」
自分の弱点がはっきりわかっている場合は、語彙問題・長文・リスニングなど、分野別の問題集を使うのが良いです。
私は英文の自然さと実際の試験に近い問題文が気に入っていて旺文社の問題集を使いましたが、高橋書店、ジャパンタイムズ、学研などからもたくさんの問題集が発売されているので、持ち運びのしやすさや、ページの見やすさで選んでOKです。
英字新聞:その学習に加え、毎日、ネット上にある200〜300ワード程度のニュースを1記事印刷し、精読をしました。準1級合格まで1年間、ほぼ毎日実施。
準1級の語彙問題を解きながら新聞を読むと、問題に出てきた単語が新聞に出てくることが良くあり、「これは語彙問題で解いた単語だ!」という具合に記憶に残りやすくなります。
また新聞に出てきた単語・表現が問題集に出てくるとこれまた印象に残りやすく、効率よく語彙を増やすことができます。
ネットでニュースを探すのには手間がかかりすぎる、という方には週刊の英字新聞という選択肢があります。日刊紙は分量がありすぎて、まず読みきれません。
ただ日刊紙よりは分量の面で楽とはいえ、週刊も英検1級レベルの単語が当たり前のように出てくるので、負荷はかなり高いです。
▼どんな英字新聞があるのか、難易度別にまとめたのでこちらもご覧ください。
会話:あとおすすめなのが、人と話すこと。例えば日本語でもそうですが、新聞記事を読んで、その記事について家族や友達に説明するとき、内容をきちんと理解できていないと説明できないことがあると思います。
そのため英会話の機会があれば、記事を要約したり説明してみると、自分の理解度がわかる上、記憶にも残りやすいです。人との会話そのものが記憶として残ることが多いです。
私はよく英字新聞で読んだ内容を、家族に話していました。日本語での説明ですが、ちゃんと理解できていないことがわかった時は、さらに何度も読み直して理解できるまで読みました。
英会話の機会が日常的になければ、オンライン英会話を活用したり、学生であれば学校の英語の先生と英会話をしてみたり、積極的に機会を作ることをおすすめします。
ちなみに、語彙対策で定番中の定番「パス単」などの単語帳を使っても良いのですが、これには向き不向きがあり、私はすぐに飽きてしまうので使いませんでした。(結局、使わずに1級合格しました。)
なので50ページ位やってみて自分に合わないと思ったら、無理して使う必要はありません。

英検準1級レベルになると、語彙の難易度が上がり、日本語に訳すと似通った意味になってしまう単語・表現が多いです。
例えば"conference"、"council"、"meeting"など、日本語にすると全て「会議」ですが、"conference" を「オックスフォード現代英英辞典」で調べると:
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つまり返り読みをせず、英語の語順でそのまま理解していく力が必要になります。
そのためにどのような練習をしたら良いかというと、スラッシュリーディング & サイトトランスレーションが効果的です。

②英文に一度目を通し、意味の区切りのところでスラッシュ( / )を入れます。
例:I started learning English when I was 16 years old. It is fun to pracitce speaking with my friends. に入れるとしたら:
(1) I started learning English / when I was 16 years old. It is fun / to practice speaking / with my friends.
(2) I started / learning English / when / I was 16 years old. It is fun / to practice speaking / with / my friends.
区切り方は意味の切れ目と感じるところでOKです。また音読してみて、一度に読めるところまでという区切り方でもOKです。
例:(1)「私は英語学習を始めました / 16歳の時に。楽しいです / 話す練習をするのは / 友達と一緒に。」
(2)「私は始めました / 英語学習を / いつかと言うと / 16歳の時です。楽しいです / 話す練習をするのは / 誰とかと言うと / 友達とです。」
あくまでも英語の語順を感覚的につかむための練習なので、日本語訳はプロの通訳が訳すような完璧な日本語は全く必要ありません。
④区切った一塊ごとに英文を読み、続けて当該箇所の日本語訳を読む。
「I started learning English ・私は英語学習を始めました / when I was 16 years old・16歳の時に」という具合です。
⑤最後に意味の区切りを意識して英文を音読します。これを繰り返すことで文の構造も感覚的に理解できるようになり、返り読みする癖がだんだんなくなっていきます。
最初のうちは簡単な教材を使うと良いですが、慣れてくるとネットにあるニュースや英字新聞の記事を使ってできるようになっていきます。
負荷が強く根気のいる作業ですが、続けると英語を英語の語順で考えるようになり、スラッシュを入れなくても、文の構造がわかるようになります。
レベルが上がるにつれて区切る一塊が大きくなっていくので、上達のバロメーターにもなります。目標は返り読みをしなくても、文章が読めるようになることです。
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しかも、問われる内容は1級と変わりません。違いは自分の意見を支持する理由が2つで良いことと、ワード数が合計で120から140と、1級(200から240ワード)に比べて少ないことだけです。
そのため出題されるトピックの傾向を知り、そしてエッセイの形式を体に叩き込むまで練習しないと合格点に到達するのは難しいです。
エッセイの形式は、序文(自分の意見を明確にする)、本文(自分の意見がなぜそうなのか2つの理由を挙げる)、そして結論(改めて自分の意見を主張する)です。序文1段落、本文2段落、結論1段落の合計4段落構成。
日本語の小論文と違い、結論を先に書いて、その理由を本文で示し、最後にもう一度自分の主張をするという型です。
書き方・考え方が日本語の小論文とは大きく異なるので、こればかりは専用の対策本や過去問を使って練習を繰り返すのが一番効率よく勉強できます。

おすすめの対策本は:
▼最短合格! 英検®準1級 英作文問題 完全制覇 [ジャパンタイムズ]
肯定・否定のどちらの模範解答も掲載されており、音声付きで音読練習にも便利です。
▼英検準1級ライティング大特訓 [アスク出版]
こちらはトピックが17個ある上、英作文で日本人がよくやる間違いとその対処法が豊富に掲載されている点です。模範解答のレベルが高く、合格点を目指す人には難しいです。
ただその分、しっかり学習すればかなりの実力がつきます。
▼英検準1級ライティング問題 [旺文社]
音声のダウンロードが可能で、模範解答も豊富。こちらの模範解答も満点レベルの答えで、高得点を目指す人向きと言えます。
【2021年12月31日追記】
▼基本の「型」がしっかり身につく 自由英作文の合格教室 [鈴木健士]
大学入試の英作文対策本ですが、テンプレートに沿って書くだけで洗練された英作文が書けるようになる本です。(英検の試験形式の解説はないので、2冊目以降に取り組むのがおすすめです。)
▼この本についてのレビュー記事
英作文の練習の仕方
①時間を測りエッセイを書く。最初は完成させることだけを目標に。最初は1時間以上かかるかもしれませんが仕方ありません。
②自分なりに答え合わせ。綴りの間違い、文法的な間違い(三人称単数-Sや時制)があれば修正。模範解答で自分も使えそうな文があれば、その文章を使って改良版を完成させる。
③音読練習。目標はトピックを見て、英作文の内容が言えるようになること。
さらに効果的なのが、完成した英作文を添削してもらうこと。言語交換に特化したサイトやアプリを使って、書いた英作文を添削してもらうと良いです。
▼Lang-8 (ランゲート)
https://lang-8.com/
世界中の言語学習者が集まり、ユーザー同士がお互いの母語を添削し合うサイト。
日本人英語学習者は英語圏の人の日本語の投稿を添削、英語圏の人は英語の投稿を添削するのことで、お互いの母語を教え合うことができます。基本、無料で利用できます。
私は幸運にもアメリカ人の友達ができ、20本以上の投稿を丁寧に添削をしてもらい、"a"や"the"や複数形の感覚がかなりつきました。
▼italki (アイトーキ)
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こちらは投稿や言語交換パートナー探しは無料でできますし、有料でレッスンを受けることもできます。
私が盛んに投稿していた5年ほど前はかなり活発で、Lang-8に比べてネイティブに添削をよくしてもらうことができました。英語を書く練習ができただけでなく、実際に会って遊ぶほどすごく仲の良い友達ができました。
▼HelloTalk (ハロートーク)
https://www.hellotalk.com/
こちらはスマホアプリで、気軽に写真や音声が投稿が出来るのが長所。交流がかなり活発なのが特徴。アプリ上で通話も可能なので、練習相手が見つかりさえすれば、スピーキングも練習できます。
こちらも言語交換パートナーを見つけたり、写真や音声などの投稿は無料でできます。
いずれのサイトでも、必ずネイティブの添削がつくわけではないので、正確さは保証できません。しかし、たとえ添削がつかなかったとしても確実に書く練習にはなります。
▼ハロートークに関する記事はこちら
上記の無料のサイトを活用するのはもちろん安上がりですが、オンライン英会話の先生に添削してもらったり、有料の添削サイトを活用するとより効果的です。
論点の重複や矛盾など、客観的な視点で見てもらえるので、作文の質が飛躍的に上がります。
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ネイティブの講師在籍多数。しかも税込で月2千円台からの受講が可能なので、ネイティブ在籍スクールとしては安いのが特徴です。
▼以前体験レッスンを受けたときの記事はこちら
その他、英語添削サービスには、フルーツフルイングリッシュ、英語便、英語試験ライティングセンター、アイディーなどなど多くのサービスがあります。
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つまり英検のリスニングは市販の参考書を使わなくても、力を伸ばすことが可能です。

②音読練習をする。黙って聞くだけより、音読練習をした方が何倍も効果があります。
③わからない単語は全て調べる。知らないままリスニングしても、内容を理解することにはならないので効果は薄いです。わからない単語が調べ切れないほど多いものは、レベルに合っていません。なので音源選びが重要になります。
④音源は自分のレベルに合ったものを選ぶ。スクリプトの中にわからない単語が5個以上ある、あるいは単語・表現の意味を調べても内容の理解できないものは今のレベルに合っていません。もっと簡単なものを選ぶようにします。目安としてはスクリプトの中に、わからない単語は2個位がちょうど良いです。
その他、自分の強化したい内容に合わせて教材を選ぶと良いです。
ここでリスニング練習に使えるサイトをご紹介します。
1回目はスキットをディクテーションし、2回目に聴くときはスキットを見ないでシャドーイングをするなど、自分の鍛えたい内容に応じて練習方法を変えてもOK。
スキットの内容は会話が中心なので、リスニング問題Part1の点数が伸びない人に特におすすめです。
NHKゴガクのアカウントを取得すれば、AMラジオを持っていなくても、インターネットで放送が聴けます。
▼VOA - Voice Of America
https://learningenglish.voanews.com/
アメリカ国営放送Voice of Americaのウェブサイト。ニュースをレベル別で選べる上、スクリプトがついているので、リスニング練習にもってこいです。
出来事について長めのリスニングが出来るので、Part2とPart3の練習に効果的です。また時事英語に関する語彙にも触れられるため、英作文対策にもなります。
▼Randal's Cyber Listening Lab
https://www.esl-lab.com/
英語の先生Randall Davis氏の運営するウェブサイト。スクリプトに加え、クイズがついているので取り組みやすいです。内容が日常会話からビジネスまで幅広く、CMや広告のナレーションもあるのでPart3の練習に最適です。
英語のサイトなので、自分に合った音声を探すだけでも勉強になります。
▼British Council Learn English
https://learnenglish.britishcouncil.org/skills/listening
英国のBritish Councilが運営するウェブサイト。
英検準1級はCEFRスコアで、B1からB2に当たるので、IntermediateとUpper-intermediateの練習問題を使うと良いです。
英語は全てイギリス英語なので、英国・米国両方のアクセントで放送される英検のリスニング対策になります。日常生活からスピーチまで様々な状況のリスニング問題が用意されているため、Part1、2、3、全ての対策になります。
▶目次にもどる

英検準1級にもなると、合格に必要となる語彙表現は飛躍的に多くなり、またレベルも上がります。
しかし同時に、英字新聞やニュースサイトなど、ネイティブ向けに作られた媒体を工夫さえすれば活用できるレベルでもあるので、学習素材には事欠きません。
試験勉強が嫌いな私のような学習者でも、生の英語に触れる機会が増えるため飽きずに学習を続けることができました。
ぜひ素材をフル活用して、実際の英語に触れて、楽しい英語学習を!
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私が英検準1級合格まで実践した内容の記事>>私が英検準1級合格まで実践した勉強法【一次筆記試験編】& 私が英検準1級合格まで実践した勉強法【二次面接試験編】
英検に関する記事一覧>>こちら
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それから10年経った現在は、便利な問題集、ウェブサイト、英会話サービスがたくさんあります。逆に選択肢が多すぎて迷うほどです。
そこで本記事では、10年前にあったら最高に嬉しかった問題集や、効率的な勉強にとても役に立つ便利なウェブサービスを、勉強法と共にまとめます。
▼私が実際どのように英検準1級対策をしたのかは以前記事にまとめました。ぜひこちらも合わせてご覧ください。
目次
▶まずすべきこと!▶語彙問題対策
ー英英辞典を使おう!
▶長文問題対策
ースラッシュリーディングの仕方
ーサイトトランスレーションの仕方
▶英作文対策
▶リスニング問題対策
ーリスニング練習に大事な7つのポイント
ーリスニング練習に使えるおすすめのウェブ素材
▶まとめ
▶関連記事
まずすべきこと!
過去問を解いて自分の実力(弱点)を確認します。点数が低いのは語彙か長文か、それともリスニングなのかを把握します。
▼英検公式サイトに最新の3回分の過去問が掲載されているので、まずはそれを使うと経済的です。
英検準1級試験過去問
https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/grade_p1/solutions.html
▼もちろん市販の過去問を利用するのも良いです。
ちなみに旺文社の過去問には二次試験の問題も掲載されているため、二次試験対策として買っておいて損はないです。さらにリスニングの放送分と二次面接の模範解答の音声もダウンロードが可能です。
英作文は自分で添削ができないので、2つの理由を盛り込むことが出来たか、指定のワード数(120から150ワード)で書けたか、25分以内に完成させることが出来たか、この3点が出来ていればとりあえずOKです。
答え合わせをして、極端に点数が低い問題があった場合は、そこを重点的に勉強します。
▶目次にもどる
語彙問題対策
英語力を高めるには何と言っても語彙が大切です。どんなに高度な英文法を暗記しても、それを使う語彙がなければ英語を使えるようにはなりません。語彙力は大問1の点数だけでなく、長文問題・英作文・リスニング全てに影響します。そのためいかに効率よく語彙を増やすかが英検合格に大きなカギを握ります。

私の場合は「問題集 × 英字新聞 × 会話」の組み合わせが効果的でした。
問題集:当時は高橋書店の「絶対合格英検準1級 [絶版]」と、旺文社の「英検準1級予想問題集」を使っての勉強がメイン。
今おすすめするなら旺文社の「英検準1級総合対策教本」
自分の弱点がはっきりわかっている場合は、語彙問題・長文・リスニングなど、分野別の問題集を使うのが良いです。
私は英文の自然さと実際の試験に近い問題文が気に入っていて旺文社の問題集を使いましたが、高橋書店、ジャパンタイムズ、学研などからもたくさんの問題集が発売されているので、持ち運びのしやすさや、ページの見やすさで選んでOKです。
英字新聞:その学習に加え、毎日、ネット上にある200〜300ワード程度のニュースを1記事印刷し、精読をしました。準1級合格まで1年間、ほぼ毎日実施。
準1級の語彙問題を解きながら新聞を読むと、問題に出てきた単語が新聞に出てくることが良くあり、「これは語彙問題で解いた単語だ!」という具合に記憶に残りやすくなります。
また新聞に出てきた単語・表現が問題集に出てくるとこれまた印象に残りやすく、効率よく語彙を増やすことができます。
ネットでニュースを探すのには手間がかかりすぎる、という方には週刊の英字新聞という選択肢があります。日刊紙は分量がありすぎて、まず読みきれません。
ただ日刊紙よりは分量の面で楽とはいえ、週刊も英検1級レベルの単語が当たり前のように出てくるので、負荷はかなり高いです。
▼どんな英字新聞があるのか、難易度別にまとめたのでこちらもご覧ください。
会話:あとおすすめなのが、人と話すこと。例えば日本語でもそうですが、新聞記事を読んで、その記事について家族や友達に説明するとき、内容をきちんと理解できていないと説明できないことがあると思います。
そのため英会話の機会があれば、記事を要約したり説明してみると、自分の理解度がわかる上、記憶にも残りやすいです。人との会話そのものが記憶として残ることが多いです。
私はよく英字新聞で読んだ内容を、家族に話していました。日本語での説明ですが、ちゃんと理解できていないことがわかった時は、さらに何度も読み直して理解できるまで読みました。
英会話の機会が日常的になければ、オンライン英会話を活用したり、学生であれば学校の英語の先生と英会話をしてみたり、積極的に機会を作ることをおすすめします。
ちなみに、語彙対策で定番中の定番「パス単」などの単語帳を使っても良いのですが、これには向き不向きがあり、私はすぐに飽きてしまうので使いませんでした。(結局、使わずに1級合格しました。)
なので50ページ位やってみて自分に合わないと思ったら、無理して使う必要はありません。
英英辞典を使おう!

英検準1級レベルになると、語彙の難易度が上がり、日本語に訳すと似通った意味になってしまう単語・表現が多いです。
例えば"conference"、"council"、"meeting"など、日本語にすると全て「会議」ですが、"conference" を「オックスフォード現代英英辞典」で調べると:
"1. a large official meeting, usually lasting for a few days, at which people with the same work or interests come together to discuss their views"という具合にどんな集まりなのかがすぐに分かります。英単語を英語の語順で理解することによって、とっさに単語が出てこなくても他の言葉で言い換える力がつき、スピーキング力も高まります。そのため二次試験対策にもなり、一石二鳥です。
"公式で大規模な集まりで、通常何日かにわたって開催され、同じ業種または利害関係のある人々が意見交換をする集会"
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長文問題対策
長文問題は語彙が難しい上、分量があるので、一語一語を全て日本語に訳しながら読み進めていくと時間が足りません。そのため、ある程度のスピードで文章を読み、理解しないといけません。つまり返り読みをせず、英語の語順でそのまま理解していく力が必要になります。
そのためにどのような練習をしたら良いかというと、スラッシュリーディング & サイトトランスレーションが効果的です。

スラッシュリーディングの仕方
①辞書がなくても読めるくらい簡単な教材を用意。②英文に一度目を通し、意味の区切りのところでスラッシュ( / )を入れます。
例:I started learning English when I was 16 years old. It is fun to pracitce speaking with my friends. に入れるとしたら:
(1) I started learning English / when I was 16 years old. It is fun / to practice speaking / with my friends.
(2) I started / learning English / when / I was 16 years old. It is fun / to practice speaking / with / my friends.
区切り方は意味の切れ目と感じるところでOKです。また音読してみて、一度に読めるところまでという区切り方でもOKです。
サイトトランスレーションの仕方
③上で区切った文章を、一塊ごとに日本語に訳していきます。例:(1)「私は英語学習を始めました / 16歳の時に。楽しいです / 話す練習をするのは / 友達と一緒に。」
(2)「私は始めました / 英語学習を / いつかと言うと / 16歳の時です。楽しいです / 話す練習をするのは / 誰とかと言うと / 友達とです。」
あくまでも英語の語順を感覚的につかむための練習なので、日本語訳はプロの通訳が訳すような完璧な日本語は全く必要ありません。
④区切った一塊ごとに英文を読み、続けて当該箇所の日本語訳を読む。
「I started learning English ・私は英語学習を始めました / when I was 16 years old・16歳の時に」という具合です。
⑤最後に意味の区切りを意識して英文を音読します。これを繰り返すことで文の構造も感覚的に理解できるようになり、返り読みする癖がだんだんなくなっていきます。
最初のうちは簡単な教材を使うと良いですが、慣れてくるとネットにあるニュースや英字新聞の記事を使ってできるようになっていきます。
負荷が強く根気のいる作業ですが、続けると英語を英語の語順で考えるようになり、スラッシュを入れなくても、文の構造がわかるようになります。
レベルが上がるにつれて区切る一塊が大きくなっていくので、上達のバロメーターにもなります。目標は返り読みをしなくても、文章が読めるようになることです。
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英作文対策
私が受験した2010年度の英作文は、知り合いのEメールに返事をするという形だったのですが、2016年度からは本格的なエッセイ(小論文)形式となり、英語圏のエッセイの書き方を知らないと合格点を取るのが難しくなりました。しかも、問われる内容は1級と変わりません。違いは自分の意見を支持する理由が2つで良いことと、ワード数が合計で120から140と、1級(200から240ワード)に比べて少ないことだけです。
そのため出題されるトピックの傾向を知り、そしてエッセイの形式を体に叩き込むまで練習しないと合格点に到達するのは難しいです。
エッセイの形式は、序文(自分の意見を明確にする)、本文(自分の意見がなぜそうなのか2つの理由を挙げる)、そして結論(改めて自分の意見を主張する)です。序文1段落、本文2段落、結論1段落の合計4段落構成。
日本語の小論文と違い、結論を先に書いて、その理由を本文で示し、最後にもう一度自分の主張をするという型です。
書き方・考え方が日本語の小論文とは大きく異なるので、こればかりは専用の対策本や過去問を使って練習を繰り返すのが一番効率よく勉強できます。

おすすめの対策本は:
▼最短合格! 英検®準1級 英作文問題 完全制覇 [ジャパンタイムズ]
おすすめの理由は、英作文でそのまま使える例文がたくさん掲載されていること。
肯定・否定のどちらの模範解答も掲載されており、音声付きで音読練習にも便利です。
▼英検準1級ライティング大特訓 [アスク出版]
こちらはトピックが17個ある上、英作文で日本人がよくやる間違いとその対処法が豊富に掲載されている点です。模範解答のレベルが高く、合格点を目指す人には難しいです。
ただその分、しっかり学習すればかなりの実力がつきます。
▼英検準1級ライティング問題 [旺文社]
音声のダウンロードが可能で、模範解答も豊富。こちらの模範解答も満点レベルの答えで、高得点を目指す人向きと言えます。
【2021年12月31日追記】
▼基本の「型」がしっかり身につく 自由英作文の合格教室 [鈴木健士]
英検ライティング対策本を使って一通り英検の試験形式は理解できたけども、どうしても単調で稚拙な英作文になってしまう人、自分の意見をいまいち英語で表現しきれていない人、書いているうちに論点がズレてしまう人におすすめの本です。
大学入試の英作文対策本ですが、テンプレートに沿って書くだけで洗練された英作文が書けるようになる本です。(英検の試験形式の解説はないので、2冊目以降に取り組むのがおすすめです。)
▼この本についてのレビュー記事
英作文の練習の仕方
①時間を測りエッセイを書く。最初は完成させることだけを目標に。最初は1時間以上かかるかもしれませんが仕方ありません。
②自分なりに答え合わせ。綴りの間違い、文法的な間違い(三人称単数-Sや時制)があれば修正。模範解答で自分も使えそうな文があれば、その文章を使って改良版を完成させる。
③音読練習。目標はトピックを見て、英作文の内容が言えるようになること。
さらに効果的なのが、完成した英作文を添削してもらうこと。言語交換に特化したサイトやアプリを使って、書いた英作文を添削してもらうと良いです。
▼Lang-8 (ランゲート)
https://lang-8.com/
世界中の言語学習者が集まり、ユーザー同士がお互いの母語を添削し合うサイト。
日本人英語学習者は英語圏の人の日本語の投稿を添削、英語圏の人は英語の投稿を添削するのことで、お互いの母語を教え合うことができます。基本、無料で利用できます。
私は幸運にもアメリカ人の友達ができ、20本以上の投稿を丁寧に添削をしてもらい、"a"や"the"や複数形の感覚がかなりつきました。
▼italki (アイトーキ)
https://www.italki.com/
こちらは投稿や言語交換パートナー探しは無料でできますし、有料でレッスンを受けることもできます。
私が盛んに投稿していた5年ほど前はかなり活発で、Lang-8に比べてネイティブに添削をよくしてもらうことができました。英語を書く練習ができただけでなく、実際に会って遊ぶほどすごく仲の良い友達ができました。
▼HelloTalk (ハロートーク)
https://www.hellotalk.com/
こちらはスマホアプリで、気軽に写真や音声が投稿が出来るのが長所。交流がかなり活発なのが特徴。アプリ上で通話も可能なので、練習相手が見つかりさえすれば、スピーキングも練習できます。
こちらも言語交換パートナーを見つけたり、写真や音声などの投稿は無料でできます。
いずれのサイトでも、必ずネイティブの添削がつくわけではないので、正確さは保証できません。しかし、たとえ添削がつかなかったとしても確実に書く練習にはなります。
▼ハロートークに関する記事はこちら
上記の無料のサイトを活用するのはもちろん安上がりですが、オンライン英会話の先生に添削してもらったり、有料の添削サイトを活用するとより効果的です。
論点の重複や矛盾など、客観的な視点で見てもらえるので、作文の質が飛躍的に上がります。
おすすめのオンライン英会話スクール
▶︎エイゴックス

ネイティブの講師在籍多数。しかも税込で月2千円台からの受講が可能なので、ネイティブ在籍スクールとしては安いのが特徴です。
▼以前体験レッスンを受けたときの記事はこちら
その他、英語添削サービスには、フルーツフルイングリッシュ、英語便、英語試験ライティングセンター、アイディーなどなど多くのサービスがあります。
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リスニング問題対策
試験勉強が嫌いな私は、市販の参考書を使って対策をしたことはほとんどありません。それでも英検4級から1級まで、リスニングは常に私の一次試験最大の得点源でした。つまり英検のリスニングは市販の参考書を使わなくても、力を伸ばすことが可能です。

リスニング練習に大事な7つのポイント
①必ずスクリプトのあるものを使う。スクリプトを見て答え合わせをすることが最も大事です。②音読練習をする。黙って聞くだけより、音読練習をした方が何倍も効果があります。
③わからない単語は全て調べる。知らないままリスニングしても、内容を理解することにはならないので効果は薄いです。わからない単語が調べ切れないほど多いものは、レベルに合っていません。なので音源選びが重要になります。
④音源は自分のレベルに合ったものを選ぶ。スクリプトの中にわからない単語が5個以上ある、あるいは単語・表現の意味を調べても内容の理解できないものは今のレベルに合っていません。もっと簡単なものを選ぶようにします。目安としてはスクリプトの中に、わからない単語は2個位がちょうど良いです。
⑤リスニング問題の放送分は、一度聴いて終わりにしない。必ず音読練習をして、慣れてきたらシャドーイングやリピーティングにも挑戦。スクリプトを覚えるくらい練習すれば確実に力がつきます。
⑥1週間程度、時間をあけてもう一度リスニング&音読練習をする。内容を少し忘れた頃に復習するのが効果的。
⑦さらに負荷をかけるには、最初に聴くときに、ディクテーションをすることがおすすめです。ディクテーションすることで、聞こえてきた音をそのまま理解しようとする力に加えて、次に来る単語を推測する力が鍛えられます。
ディクテーションはリスニング力が鍛えられ、"a"や"the"の使い分けにも強くなれます。
▼ディクテーションの仕方については以前記事にしました
聞こえてきた音声を一時停止せず、そのままぴったりついていく音読練習「シャドーイング」は英語のリズムを掴み口を動かす力を鍛え、スピーキング力向上に役立ちます。
⑥1週間程度、時間をあけてもう一度リスニング&音読練習をする。内容を少し忘れた頃に復習するのが効果的。
⑦さらに負荷をかけるには、最初に聴くときに、ディクテーションをすることがおすすめです。ディクテーションすることで、聞こえてきた音をそのまま理解しようとする力に加えて、次に来る単語を推測する力が鍛えられます。
ディクテーションはリスニング力が鍛えられ、"a"や"the"の使い分けにも強くなれます。
▼ディクテーションの仕方については以前記事にしました
聞こえてきた音声を一時停止せず、そのままぴったりついていく音読練習「シャドーイング」は英語のリズムを掴み口を動かす力を鍛え、スピーキング力向上に役立ちます。
リスニング練習に使えるおすすめのウェブ素材
準1級のリスニング問題に時事英語は出てきませんが、リスニング練習と同時に語彙・長文・英作文対策も出来るので、ニュースを使うと効率が良いです。その他、自分の強化したい内容に合わせて教材を選ぶと良いです。
ここでリスニング練習に使えるサイトをご紹介します。
▼NHKラジオ講座 (NHKゴガク - 英語講座番組案内)
2020年度は「ラジオ英会話」「遠山顕の英会話楽習」がおすすめです。1回の放送を2回聴くと効果的。1回目はスキットをディクテーションし、2回目に聴くときはスキットを見ないでシャドーイングをするなど、自分の鍛えたい内容に応じて練習方法を変えてもOK。
スキットの内容は会話が中心なので、リスニング問題Part1の点数が伸びない人に特におすすめです。
NHKゴガクのアカウントを取得すれば、AMラジオを持っていなくても、インターネットで放送が聴けます。
▼VOA - Voice Of America
https://learningenglish.voanews.com/
アメリカ国営放送Voice of Americaのウェブサイト。ニュースをレベル別で選べる上、スクリプトがついているので、リスニング練習にもってこいです。
出来事について長めのリスニングが出来るので、Part2とPart3の練習に効果的です。また時事英語に関する語彙にも触れられるため、英作文対策にもなります。
▼Randal's Cyber Listening Lab
https://www.esl-lab.com/
英語の先生Randall Davis氏の運営するウェブサイト。スクリプトに加え、クイズがついているので取り組みやすいです。内容が日常会話からビジネスまで幅広く、CMや広告のナレーションもあるのでPart3の練習に最適です。
英語のサイトなので、自分に合った音声を探すだけでも勉強になります。
▼British Council Learn English
https://learnenglish.britishcouncil.org/skills/listening
英国のBritish Councilが運営するウェブサイト。
英検準1級はCEFRスコアで、B1からB2に当たるので、IntermediateとUpper-intermediateの練習問題を使うと良いです。
英語は全てイギリス英語なので、英国・米国両方のアクセントで放送される英検のリスニング対策になります。日常生活からスピーチまで様々な状況のリスニング問題が用意されているため、Part1、2、3、全ての対策になります。
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まとめ

英検準1級にもなると、合格に必要となる語彙表現は飛躍的に多くなり、またレベルも上がります。
しかし同時に、英字新聞やニュースサイトなど、ネイティブ向けに作られた媒体を工夫さえすれば活用できるレベルでもあるので、学習素材には事欠きません。
試験勉強が嫌いな私のような学習者でも、生の英語に触れる機会が増えるため飽きずに学習を続けることができました。
ぜひ素材をフル活用して、実際の英語に触れて、楽しい英語学習を!
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