私の持病である筋痛性脳脊髄炎(ME)を患いながら、寝ながら獣医さんとして働くこんどうなつきさん。
そのこんどうさんの書かれた本「病気と闘わない!仕事、結婚、子育て…完治しない病気だから気付けた本当の幸せの見つけ方」を読んだので感想をまとめます。
本書は闘病する上で筆者が工夫していること、限られた体力を無駄なく使う考え方など、慢性病持ちの人が参考になる情報たくさんです。
ME当事者としての視点から、この本の感想を書きます。
*当記事は広告リンクを含みます。
また見た目でもわかりづらいため「気のせい」「神経質」「甘えてる」と誤解されることも多いです。
症状は人によっても大きく違いますし、日によって体調の波も多く、患者自身も症状を正確に把握することが難しい場合があります。
私自身、診断を得たあと、他のME患者との交流を通して「あ、この症状は病気が原因だったんだ」と気づくことがとても多かったです。
それもあり、確定診断を得られるまで、長い時間がかかってしまうことも珍しくありません。
著者も発症から19年間も診断を受けられずに過ごしてきたそうです。
中学1年で発症し、闘病しながら中学・高校・大学を卒業し、現在は獣医師として働き、また母親として育児をされているこんどうさんは生活の工夫は、同病患者として役に立つものばかりで、本当に読んでよかったです。
どこの病院で検査を受けても「異常なし」という結果で、精神病院の受診を勧められることが多く、検査自体でもただでさえ少ない体力を奪われ、寝込むことを繰り返す。
そんなことが何度も続いて、途中で診断受けること自体を諦めてしまった、ということは私も同じだったので「わかるわ〜」と何度も頷きながら読みました。
▼私が確定診断を受けた直後に書いた記事
対し、私のように10代初めで発症した人の話はなかなか聞いたことがありませんでした。ME持ちで試験勉強をしたり、卒業の単位を取るために必死に通学したことが、自分と境遇が似ていて嬉しくなりました。
ME持ちだと、試験直前に一夜漬けで勉強したり、1日に何時間も机に向かってひたすら問題集を解くといった、体力ゴリ押しの勉強法は不可能なので、著者が実践していた横になっていてもできる「勉強しているようには見えない勉強法」はとても参考になりました。
学生でMEを発症し、机に向かって勉強が出来ない人に特に参考になるので、この部分だけでも読んでみることをおすすめします!(P65~P70)
そのため、さまざまな色・形の服を見て、適切な場所に干していく、という洗濯干しがとても苦手で、大変な消耗っぷりだったらしいのです。
これをタオルもハンガーも同じ色・形に統一。それにより脳の疲労感が減り、洗濯を終えてから仕事にも行けるようになったとのこと。
自分の「大変なこと」「できないこと」と闘うのではなく、何が一番消耗の原因になっているかを分析し、自分ではなく環境の方から変えていく、という考え方は勉強になりました。
それから、病気をしていると、普通に生活をするのにも人にお願いしなければならないことが多く、いつも頼んでばかりで心苦しく思ったり、無力感にさいなまれたり、もっと人の役に立ちたいのに、と落ち込むときがあります。
そんなときに、自分の周りの人に自分の役割を聞いてみると良い、ということ。周りの人が自分に何を求めているのかが分かれば、自分も人の役に立てている実感を得やすいとのことでした。
MEは日本国内だけで、8万~24万人の患者がいる*とされています。
それだけ多くの人が持つ疾患ながら、病気が進行し重度になるほど、病院にも通えず、人との交流もままならなくなるこの病気の特性から、当事者の書籍はおろか、インターネット上にも情報は少ないです。
そのため筆者の体験談はもちろん、筆者が絶え間ない症状がある中、少ない体力で毎日を生き延びるために生活の中してきた工夫を惜しみなく紹介されている本書の存在はとてもありがたいです。
*ゆらりさん著「ある日突然慢性疲労症候群になりました」巻末のかいせつより。
この本をきっかけに一人でも多くの人がMEという病気の存在を知り、病気への理解が広まれば嬉しいです。
なおMEを扱った書籍はゆらりさん著「ある日突然慢性疲労症候群になりました」というコミックエッセイもあります。
可愛らしいくまさんのイラストを通してMEについて知ることができますので、ぜひこちらも読んでみてほしいです。
▼「ある日突然慢性疲労症候群になりました」のレビュー
筋痛性脳脊髄炎(ME)についてなるべく簡潔に書いた記事>>筋痛性脳脊髄炎(ME/CFS)ってどんな病気?| What is Myalgic Encephalomyelitis (ME/CFS)?(闘病ブログで、別ウィンドウで開きます)
私の運営している闘病ブログ>>ME Life is Like... (別ウィンドウで開きます)
ゆらりさんのコミックエッセイレビュー>>全人類に読んで欲しい!【ある日突然、慢性疲労症候群になりました】ゆらり著
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そのこんどうさんの書かれた本「病気と闘わない!仕事、結婚、子育て…完治しない病気だから気付けた本当の幸せの見つけ方」を読んだので感想をまとめます。
本書は闘病する上で筆者が工夫していること、限られた体力を無駄なく使う考え方など、慢性病持ちの人が参考になる情報たくさんです。
ME当事者としての視点から、この本の感想を書きます。
*当記事は広告リンクを含みます。
読んで良かった
筋痛性脳脊髄炎(ME)、別名・慢性疲労症候群(CFS)は、脳の病気であるという説が有力ではありますが、未だ検査方法や治療法が確立されておらず、見つけにくい病気です。また見た目でもわかりづらいため「気のせい」「神経質」「甘えてる」と誤解されることも多いです。
症状は人によっても大きく違いますし、日によって体調の波も多く、患者自身も症状を正確に把握することが難しい場合があります。
私自身、診断を得たあと、他のME患者との交流を通して「あ、この症状は病気が原因だったんだ」と気づくことがとても多かったです。
それもあり、確定診断を得られるまで、長い時間がかかってしまうことも珍しくありません。
著者も発症から19年間も診断を受けられずに過ごしてきたそうです。
中学1年で発症し、闘病しながら中学・高校・大学を卒業し、現在は獣医師として働き、また母親として育児をされているこんどうさんは生活の工夫は、同病患者として役に立つものばかりで、本当に読んでよかったです。
共感した点
確定診断を受けるまで19年
著者が確定診断を受けるまで19年という歳月がかかったこと。私自身、小学校4年で発症し、確定診断を受けるまで21年かかりました。どこの病院で検査を受けても「異常なし」という結果で、精神病院の受診を勧められることが多く、検査自体でもただでさえ少ない体力を奪われ、寝込むことを繰り返す。
そんなことが何度も続いて、途中で診断受けること自体を諦めてしまった、ということは私も同じだったので「わかるわ〜」と何度も頷きながら読みました。
▼私が確定診断を受けた直後に書いた記事
10代前半での発症で、闘病しながらの学生時代
私がTwitterで知り合ったME患者の多くは、ほとんどが社会人になってから発症した人で、体が弱っていく恐怖や今まで出来たことができなくなる悔しさ、無念さを感じる人が多いです。対し、私のように10代初めで発症した人の話はなかなか聞いたことがありませんでした。ME持ちで試験勉強をしたり、卒業の単位を取るために必死に通学したことが、自分と境遇が似ていて嬉しくなりました。
ME持ちだと、試験直前に一夜漬けで勉強したり、1日に何時間も机に向かってひたすら問題集を解くといった、体力ゴリ押しの勉強法は不可能なので、著者が実践していた横になっていてもできる「勉強しているようには見えない勉強法」はとても参考になりました。
学生でMEを発症し、机に向かって勉強が出来ない人に特に参考になるので、この部分だけでも読んでみることをおすすめします!(P65~P70)
同じ闘病人として参考になった工夫や考え方
こんどうさんには高次脳機能障害があり、物事を順序立てて進めたり、何かを選んだりするのが苦手だそうです。そのため、さまざまな色・形の服を見て、適切な場所に干していく、という洗濯干しがとても苦手で、大変な消耗っぷりだったらしいのです。
これをタオルもハンガーも同じ色・形に統一。それにより脳の疲労感が減り、洗濯を終えてから仕事にも行けるようになったとのこと。
自分の「大変なこと」「できないこと」と闘うのではなく、何が一番消耗の原因になっているかを分析し、自分ではなく環境の方から変えていく、という考え方は勉強になりました。
それから、病気をしていると、普通に生活をするのにも人にお願いしなければならないことが多く、いつも頼んでばかりで心苦しく思ったり、無力感にさいなまれたり、もっと人の役に立ちたいのに、と落ち込むときがあります。
そんなときに、自分の周りの人に自分の役割を聞いてみると良い、ということ。周りの人が自分に何を求めているのかが分かれば、自分も人の役に立てている実感を得やすいとのことでした。
筋痛性脳脊髄炎(ME)当事者の声が聞けるありがたさ
この記事を読んでいる方の中で、障害者や慢性病患者と接したことのある人はどのくらいいるでしょうか。MEは日本国内だけで、8万~24万人の患者がいる*とされています。
それだけ多くの人が持つ疾患ながら、病気が進行し重度になるほど、病院にも通えず、人との交流もままならなくなるこの病気の特性から、当事者の書籍はおろか、インターネット上にも情報は少ないです。
そのため筆者の体験談はもちろん、筆者が絶え間ない症状がある中、少ない体力で毎日を生き延びるために生活の中してきた工夫を惜しみなく紹介されている本書の存在はとてもありがたいです。
*ゆらりさん著「ある日突然慢性疲労症候群になりました」巻末のかいせつより。
まとめ
筋痛性脳脊髄炎(ME)の当事者の書いた本は貴重です。この本をきっかけに一人でも多くの人がMEという病気の存在を知り、病気への理解が広まれば嬉しいです。
なおMEを扱った書籍はゆらりさん著「ある日突然慢性疲労症候群になりました」というコミックエッセイもあります。
可愛らしいくまさんのイラストを通してMEについて知ることができますので、ぜひこちらも読んでみてほしいです。
▼「ある日突然慢性疲労症候群になりました」のレビュー
関連記事と私の闘病ブログを紹介
私の確定診断直後に書いた記事>>慢性疲労症候群と診断される | Diagnosed with Chronic Fatigue Syndrome筋痛性脳脊髄炎(ME)についてなるべく簡潔に書いた記事>>筋痛性脳脊髄炎(ME/CFS)ってどんな病気?| What is Myalgic Encephalomyelitis (ME/CFS)?(闘病ブログで、別ウィンドウで開きます)
私の運営している闘病ブログ>>ME Life is Like... (別ウィンドウで開きます)
ゆらりさんのコミックエッセイレビュー>>全人類に読んで欲しい!【ある日突然、慢性疲労症候群になりました】ゆらり著
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