社会人に英語を教える機会があるので、最近は教材を買って自分で試してみています。
社会人とはいっても、受験でたくさん勉強して基礎知識がある人、中学英語すら避けてきた人(過去の私)などなど、スタート地点は一人ひとり違います。
なので、スピーキングが中心ではありますが、生徒さんの目的に応じておすすめができるように色々な種類の本を5冊買いました。

それぞれひと通り読み終わり、音読練習も少しずつ進めている段階なので、読んだ感想、おすすめのポイントや使い方をまとめます。
*当記事は広告リンクを含みます。
そのため、本の中で扱われている例文はすべて中学レベルの単語や熟語のみです。
しかし侮ることなかれ!英文を見ると簡単すぎると思うレベルの文章も、日本語をヒントに英訳しようとすると途端に難しくなります。
日本語を見てそれをヒントに英語を話すと言うことがメインのトレーニング方法なので、日本語は英語の語順で書かれており、 英語を話すヒントとしてよくできています。
中学レベルとはいっても、後半になると関係代名詞など、英語を使うことに慣れていない人にとってはきちっとした英文を作ることすら難しいレベルまでなります。
なのでこの本にある例文を日本語を見ただけで瞬時に英語にできるくらい音読を繰り返せば、かなりのスピーキング力をつけることが可能。
とても良い本です。
2006年発売と比較的古いの本なので、音声は基本付属のCDです。
ただベレ出版の特設ページから音源のダウンロードが可能(Disc 1、Disc 2 各200円)。さらに本の代わりにiOS用とAndroid用のアプリ(1,200円)も用意されています。
強いて欠点を挙げるとすれば、この本は中学英語が中心なので、この本だけではあまり語彙を増やすことはできないことくらいです。
例文を音読・暗唱することで、日本語とはかけ離れた英文の構造を感覚的につかめるようになる工夫が随所に。
例えば「彼女が窓を開けるところを見た」という "I saw her open the window." (P74)。これはただ単に"open the window"ということを説明しているだけ、という至ってシンプルな仕組みを他の4つの例文で説明しています。
大西先生の本らしく、「彼女に捨てられた」「クビにしないで」など、ちょいちょいブラックな例文があるのも面白いです。
取り上げられている例文がネイティブが使う自然なものが多く、そのまま覚えてしまえば表現をどんどん増やすことができます。
ただ解説が一言ちょこっと載っている程度なので、文の構造が理解できても、使う状況、ニュアンスまできちんと理解するのが難しいものもあると思います。
中学英文法もあやふやで、be動詞と一般動詞を混ぜて使ってしまう人にとっては難し過ぎかも知れません。
*be動詞と一般動詞の原型は一緒には使いません。❌ I am play tennis.→ ⭕️ I play tennis.
・am = be動詞・play = 一般動詞。
音声は出版社・東進ブックスのサイトからダウンロードが可能。8名もの豪華なナレーション陣による読み上げで、収録時間は2時間を超えます。
ただ音声がチャプターごとに分かれていて、1つのチャプターが30分を超えるものもあります。
そのため、リジューム再生機能のないプレーヤーで聴くと毎回相当な時間を早送りしたり巻き戻ししたりして、聴いていた場所を探さないといけないのが少々手間がかかります。
6歳は "I'm going to... = ~するつもり"という表現から、ティーンになると "You are supposed to... =~することになっている" と細かい意味を伝える表現まで取り上げられています。
Exerciseは右のページに日本語が載っていて、ページをめくると答えが見えるようになっていて、一人学習に使いやすいです。
音声のExercise はかなりテンポよく読み上げられます。
日本語の後に英語の文章が再生されるので、日本語をヒントに英語を言えるようになるまで音読練習をすれば実際の会話でも確実に使えます。
一通りのことは英語で言えるようになってきて、もっと表現の幅を広げたいという人に特におすすめです。
基本会話・ 生活・ 交友関係・オフタイム・海外旅行など、7つのチャプターに分かれていて、知りたい表現を状況ごとに学習することができます。
この本の特長は、なんといってもイラストで状況を確認しながら会話表現を学べること。
ただ文字だけで学ぶより、イラストを用いて視覚情報もプラスで学習できるのが良いです。
あと例文は最初のページでは日本語が書かれていて、その裏のページで答え合わせをするという形式になっており、自分で英訳を考えてから答えを見ることができます。
そのため、初級者から上級者まですごく良い練習になります。
音声はKADOKAWAのサイトからダウンロードできるほか、英語学習アプリ「abceed (エービーシード)」でも聴くことができます。
abceedにはTOEIC公式問題集やその他、英語学習本の音声を多く取り扱っているアプリなので、このアプリが使えるのはとても便利です。
注意点としては、表現の解説が少なめなので、例文を読んで英語そのものの意味が分かるくらいのレベルの人(中級)向けです。
またボリュームがあるので、1冊完璧に終わらせたいタイプの学習者は、覚悟がいります。
英語学習系YouTubeチャンネル「Hapa英会話」でおなじみの、アメリカ・ロサンゼルス出身のJunさんが書かれた本で、ネイティブが日常でよく使う会話表現をたくさん学べます。
特徴は日本人英語学習者にとって難しい*句動詞を取り上げていること。
*「句動詞」は"get up"や"come over"など「動詞 + 前置詞・副詞」の組み合わせによって、動詞そのものとは違う意味合いになるものです。例えば、"get"は「得る・なる」ですが "get up" だど「起きる」という意味になります。
日英完全バイリンガルのJunさんだけあり、その句動詞の使われる状況や、どんなニュアンスの表現なのか、わかりやすく解説されています。
Junさんご本人による読み上げ音声は、出版社であるアルク公式サイトからパソコンでダウンロードができます。スマホの場合は"booco"というアプリを使ってダウンロードするようになっています。

ただ初級者でも、少しでも面白そうと思ったら取り組んでみるのがおすすめです。1冊に飽きたら別の1冊、そしてまたそれに飽きたら元の本に戻るというやり方でも力はつきます。
今回は英会話の本をメインに紹介しましたが、中学英語をきっちり学び直したい初級者には、Gakkenの「ひとつひとつわかりやすく。」シリーズがおすすめです。
▼以前記事にしたので、ぜひご覧ください。
教材研究はまだまだ続きます。他にも良い本を見つけたらまたレビューを書きます!
NHKラジオ英会話もおすすめ>>【英語学習 何から始めてよいか分からない社会人へ】NHKラジオ英会話「基礎英語」をおすすめする5つの理由!
英検合格を目指すのも良いです>>カテゴリ:英検
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社会人とはいっても、受験でたくさん勉強して基礎知識がある人、中学英語すら避けてきた人(過去の私)などなど、スタート地点は一人ひとり違います。
なので、スピーキングが中心ではありますが、生徒さんの目的に応じておすすめができるように色々な種類の本を5冊買いました。

それぞれひと通り読み終わり、音読練習も少しずつ進めている段階なので、読んだ感想、おすすめのポイントや使い方をまとめます。
*当記事は広告リンクを含みます。
どんどん話すための瞬間英作文トレーニング 森沢洋介
この本の特徴はズバリ、すでに知っている単語や表現を口からすらすらと出せるようにすることです。そのため、本の中で扱われている例文はすべて中学レベルの単語や熟語のみです。
しかし侮ることなかれ!英文を見ると簡単すぎると思うレベルの文章も、日本語をヒントに英訳しようとすると途端に難しくなります。
日本語を見てそれをヒントに英語を話すと言うことがメインのトレーニング方法なので、日本語は英語の語順で書かれており、 英語を話すヒントとしてよくできています。
中学レベルとはいっても、後半になると関係代名詞など、英語を使うことに慣れていない人にとってはきちっとした英文を作ることすら難しいレベルまでなります。
なのでこの本にある例文を日本語を見ただけで瞬時に英語にできるくらい音読を繰り返せば、かなりのスピーキング力をつけることが可能。
とても良い本です。
2006年発売と比較的古いの本なので、音声は基本付属のCDです。
ただベレ出版の特設ページから音源のダウンロードが可能(Disc 1、Disc 2 各200円)。さらに本の代わりにiOS用とAndroid用のアプリ(1,200円)も用意されています。
強いて欠点を挙げるとすれば、この本は中学英語が中心なので、この本だけではあまり語彙を増やすことはできないことくらいです。
一億人の英会話 大西泰斗・デイビットエバンス
「英語を話せるようになるには、日本語とはかけ離れた英語の語順を頭で理解し、音読して体で覚える」をコンセプトに練習ができる本です。例文を音読・暗唱することで、日本語とはかけ離れた英文の構造を感覚的につかめるようになる工夫が随所に。
例えば「彼女が窓を開けるところを見た」という "I saw her open the window." (P74)。これはただ単に"open the window"ということを説明しているだけ、という至ってシンプルな仕組みを他の4つの例文で説明しています。
大西先生の本らしく、「彼女に捨てられた」「クビにしないで」など、ちょいちょいブラックな例文があるのも面白いです。
取り上げられている例文がネイティブが使う自然なものが多く、そのまま覚えてしまえば表現をどんどん増やすことができます。
ただ解説が一言ちょこっと載っている程度なので、文の構造が理解できても、使う状況、ニュアンスまできちんと理解するのが難しいものもあると思います。
中学英文法もあやふやで、be動詞と一般動詞を混ぜて使ってしまう人にとっては難し過ぎかも知れません。
*be動詞と一般動詞の原型は一緒には使いません。❌ I am play tennis.→ ⭕️ I play tennis.
・am = be動詞・play = 一般動詞。
音声は出版社・東進ブックスのサイトからダウンロードが可能。8名もの豪華なナレーション陣による読み上げで、収録時間は2時間を超えます。
ただ音声がチャプターごとに分かれていて、1つのチャプターが30分を超えるものもあります。
そのため、リジューム再生機能のないプレーヤーで聴くと毎回相当な時間を早送りしたり巻き戻ししたりして、聴いていた場所を探さないといけないのが少々手間がかかります。
ネイティブなら12歳までに覚える80パターン英語が止まらない 塚本亮
ネイティブが習得する英会話表現を、6歳、8歳、12歳、ティーンと年齢ごとにレベルを上げて紹介している本です。6歳は "I'm going to... = ~するつもり"という表現から、ティーンになると "You are supposed to... =~することになっている" と細かい意味を伝える表現まで取り上げられています。
Exerciseは右のページに日本語が載っていて、ページをめくると答えが見えるようになっていて、一人学習に使いやすいです。
音声のExercise はかなりテンポよく読み上げられます。
日本語の後に英語の文章が再生されるので、日本語をヒントに英語を言えるようになるまで音読練習をすれば実際の会話でも確実に使えます。
一通りのことは英語で言えるようになってきて、もっと表現の幅を広げたいという人に特におすすめです。
超図解3分英会話フレーズ1500 片岡実・相澤真耶・西岡ハルカ
親しみやすい爽やかなイラストが表紙ですが、326ページに例文がぎゅうぎゅうに詰め込まれている辞典のような本です。基本会話・ 生活・ 交友関係・オフタイム・海外旅行など、7つのチャプターに分かれていて、知りたい表現を状況ごとに学習することができます。
この本の特長は、なんといってもイラストで状況を確認しながら会話表現を学べること。
ただ文字だけで学ぶより、イラストを用いて視覚情報もプラスで学習できるのが良いです。
あと例文は最初のページでは日本語が書かれていて、その裏のページで答え合わせをするという形式になっており、自分で英訳を考えてから答えを見ることができます。
そのため、初級者から上級者まですごく良い練習になります。
音声はKADOKAWAのサイトからダウンロードできるほか、英語学習アプリ「abceed (エービーシード)」でも聴くことができます。
abceedにはTOEIC公式問題集やその他、英語学習本の音声を多く取り扱っているアプリなので、このアプリが使えるのはとても便利です。
注意点としては、表現の解説が少なめなので、例文を読んで英語そのものの意味が分かるくらいのレベルの人(中級)向けです。
またボリュームがあるので、1冊完璧に終わらせたいタイプの学習者は、覚悟がいります。
ネイティブが毎日使っている万能の英会話フレーズ101 ジュン・セニサック
英語をある程度話せるようになってきて、一通りのことは言えるけど、自分の言いたいことを短い言葉でスパッと言えなくてもどかしいと感じている人にぴったりの本です。英語学習系YouTubeチャンネル「Hapa英会話」でおなじみの、アメリカ・ロサンゼルス出身のJunさんが書かれた本で、ネイティブが日常でよく使う会話表現をたくさん学べます。
特徴は日本人英語学習者にとって難しい*句動詞を取り上げていること。
*「句動詞」は"get up"や"come over"など「動詞 + 前置詞・副詞」の組み合わせによって、動詞そのものとは違う意味合いになるものです。例えば、"get"は「得る・なる」ですが "get up" だど「起きる」という意味になります。
日英完全バイリンガルのJunさんだけあり、その句動詞の使われる状況や、どんなニュアンスの表現なのか、わかりやすく解説されています。
Junさんご本人による読み上げ音声は、出版社であるアルク公式サイトからパソコンでダウンロードができます。スマホの場合は"booco"というアプリを使ってダウンロードするようになっています。
まとめ
初心者向けの本を手に入れたつもりですが、本当に初心者向けは『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』の1冊です。他の4冊は、表現の幅を広げたい中級者以上向けと言えます。
ただ初級者でも、少しでも面白そうと思ったら取り組んでみるのがおすすめです。1冊に飽きたら別の1冊、そしてまたそれに飽きたら元の本に戻るというやり方でも力はつきます。
今回は英会話の本をメインに紹介しましたが、中学英語をきっちり学び直したい初級者には、Gakkenの「ひとつひとつわかりやすく。」シリーズがおすすめです。
▼以前記事にしたので、ぜひご覧ください。
教材研究はまだまだ続きます。他にも良い本を見つけたらまたレビューを書きます!
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