健康で何不自由なく生活していた私が慢性的な体調不良になったのは21年前。以来、止まることのない痛みに耐え、なんとか折り合いをつけ生きてきました。そして先日、遂に「慢性疲労症候群」と診断されました。

ようやく素晴らしい医師との出会いに恵まれ、治療にこぎつけました。
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慢性疲労症候群とは

そもそも慢性疲労症候群ってなに?とお思いの方が多いかと思います。

慢性疲労症候群とは:これまで通常の日常生活をしていた人が突然、強烈な全身倦怠感に襲われるようになり、休息をとっても回復せず、通常の日常生活が著しく困難になる病気です。またこれ以外にも、微熱、頭痛、筋肉痛、脱力感、睡眠不良、認知機能の低下、抑うつなど様々な症状があらわれます。

「ああ、いつも(慢性的)疲れている(疲労)やつでしょ?私だって疲れてだるいことぐらいあるよ!」」と思われた方、違うんです。

重症化した場合には、軽作業さえ難しくなり、ほとんど寝たきりの状態で過ごす患者もいます。単に休めば取れる疲れ・だるさとは程度も性質も全く違います。

そこで「慢性疲労症候群」という名前から、単なる「慢性疲労」と混同されるのを防ぐため、近年では「筋痛性脳脊髄炎(きんつうせいのうせきずいえん)」という名前で呼ばれることもあります。

私の場合は猛烈なだるさ、気分の悪さ、ひどい頭痛、腹痛、吐き気、めまい、風邪を引きやすい、疲れやすい、冷や汗をかく(暑くても寒くても関係なく)、体温調節不良(暑さにも寒さにも、また気温の変化にも異常なほど弱いです)、睡眠障害などが主な症状です。

猛烈なだるさ、と言葉にすると大したことがなさそうですが、健康な時には全く体験したことのない次元のだるさです。例えるなら、朝起きたその瞬間からエベレストに酸素ボンベなしで登って来たようなだるさです(実際に登った事はありませんが)。

気分の悪さも、インフルエンザで40℃の熱がある体で100m全力疾走したような気分の悪さで、全身から吐きそうになる強烈な具合の悪さです。

しかも24時間365日、常に複数の症状があります。痛みやだるさが全くなく、本当の意味で休まったと感じた日はこの21年間で・・・ゼロです。
CFSPatientImage160414Photo by Pinoko

原因 

この病気のはっきりとした原因は分かっていません。風邪や気管支炎などが引き金となり、発症することが多いようです。また通常の検査(血液、CT、MRI、X線など)では異常は見つからないため、診断が難しい病気でもあります。

私自身、子供の頃は雪の中をビーチサンダルで歩きまわっていても風邪を引くことがないくらいの健康体でした。

ところが10歳の誕生日の直前(1995年1月)にインフルエンザで40℃近い高熱を出したのがきっかけでした。高熱自体は数日で下がりましたが、それから2週間も37℃以上の微熱が続きました。

それからというもの、夜しっかり寝ても朝起きたら高地でフルマラソンを終えた後のような猛烈なだるさが続き、いつものように学校に行くだけで38℃以上の高熱を出し、さらにそれを繰り返すようになりました。

他にもめまいや頭が割れるような頭痛、吐き気なども断続的に続き、小学校を卒業するころにはすっかり体力がなくなっていました。風邪もよく引くようになり、喉の痛みや腹痛、頭痛などの痛みがなく過ごせる時間は月に1日あるかないか、といった具合でした。また37℃台の微熱は中学を卒業する頃(2000年)まで続きました。

20歳を過ぎた頃(2005年)からは睡眠障害も加わり、ますます疲れが取れない体になっていきます。

現在も体調が特に悪い時は、週のほとんどを横になって過ごしています(しかもそれが2週間から2か月続きます)。

診断

先ほども触れましたが、診断を下せる専門の医師は全国でも非常に少ないです。また客観的な検査方法がないため、血液、CT、MRIや脳波などあらゆる検査を行っても「異常なし」の結果に終わります。

患者がいくら体調不良を訴えても検査で異常が見つからないため、結局「気のせい、心の問題です」と言われ続けるはめになります。


私も例外ではなく、今まで小児科、内科、神経内科、心療内科など多くの医師に診てもらい、様々な検査を受けましたが、いつも「心の問題」で終始しました。

信頼できる専門医を見つけるということも、患者に立ちはだかる大きな障害であることは間違いありません。

先生と出会うまで 

オンライン英会話講師の仕事にも大分慣れ、もっと働きたい、もっとたくさん英語を教えたいと思うようになったのが一昨年の暮れごろ。そのためには無理を重ねては倒れる日々におさらばしないと、と思いました。

まずは地元・茨城で治療が行える病院を慢性疲労症候群専門医の口コミサイトで探し、診察を受けてみるも、「専門外」だと全く相手にされず。それでもあきらめず色々と探した結果、見つかったのがME/CFS-infoと名医を探すドクターズガイド(現在は時事メディカル内で運営されています)というサイト。

そこに載っていたのが班目 健夫(まだらめ たけお)先生。ME/CFS-infoから先生のクリニック、青山・まだらめクリニック 自律神経免疫研究所に行きつきました。

クリニックの公式HPには先生のブログも載っていて、読んでいくうちに信頼できそうな先生だと思えたので受診することにしました。こうして初めて受診したのが昨年の9月。その後、2回受診し、今に至ります。

一見すると健康に見える慢性疲労症候群患者。そんな慢性病になると、「いつもさぼってる」「気のせい」「病気のせいにばかりして」など理解のないことを言われるのは日常茶飯事です。医療の専門家である医師に言われることも珍しいことではありません。

しかし、斑目先生は慢性病に深い理解があり、とにかく患者が良くなることが第一。そんな先生に出会えて、本当に嬉しく、心底ほっとしました。

治療法

確立された治療法はありませし、特効薬もありません。そのため、医師の治療方針によって大きく異なります。

私の行っている治療法は、別の記事でまた詳しく書きたいと思います。

診断を受けて 

慢性疲労症候群という診断を受けて、意外に思われるかもしれませんが、とても嬉しいです。

医師から病気だと言われて嬉しい、なんて自分でもおかしいと思いますが、 それが今の率直な気持ちです。

診断を受けて体調が良くなるなんてことはありません。明日も今日と同じか、もしかしたらもっと悪くなる可能性だって(大いに)あります。

しかし、体調が悪くて勉強が出来ない、仕事が思うようにこなせないということが、自分の努力が足りないわけでもなく、怠けているわけでもない、ということを人に対しても、自分に対しても言えるようになったことが嬉しいです。

他にも思うことは色々とありますが、それについては追々書いていくことにします。

今後は治療を続けていくことはもちろんですが、同じ病気に苦しむ人の役に立つ情報を発信していけたらと思います(日本語と英語両方で。)

[UPDATE April 2, 2019]
慢性疲労症候群に関しては新たにブログを始めました。治療法や経過報告についてはそちらのブログで詳しく書いています。ぜひご覧下さい。

▼ME Life is Like...[外部リンク]
https://melifeislike.blog.jp/
 

リンク集

最後に私が見つけた慢性疲労症候群専門医のリストの載ったサイトを紹介します。

青山・まだらめクリニック 自律神経免疫研究所
https://www.dr-madarame.com/

ME / CSF-info
https://mecfsinfo.net/ 

時事メディカル (名医を探すドクターズガイド)
https://medical.jiji.com/

その他、慢性疲労症候群に関する情報サイトです。

慢性疲労症候群/筋痛性脳脊髄炎患者会「笑顔の花びら集めたい」
http://egaonohanabira.net/

CFS支援ネットワーク
https://cfs-sprt-net.jimdofree.com/

NPO法人 筋痛性脳脊髄炎の会

https://mecfsj.wordpress.com/

あと、CFS / MEのイギリス人ブロガー/YouTuberを紹介します。

自分と同じ慢性病を持っていても活躍している彼女を見て、非常に励まされていますし、体調を表す英語表現の勉強にもなっています。

Meg Says
https://www.meg-says.com/

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